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水本医師が日本放射線腫瘍学会第37回学術大会において「前立腺SBRT後の勃起障害」について研究発表しました。

前立腺SBRT後の勃起障害について調査した。
2016/05から2024/05に当科で前立腺癌に根治SBRTを実施した1012症例の内、
ホルモン療法を併用した764例を除いた248例を調査した。

治療前にもアンケートに回答してくれていたのは148例(平均68.8歳)だった。
RT前にEPICの問17-イで『まったく勃起しない(0点)』と答えたのは28/148症例19%だった。
『勃起能がとても低い(1点)』と答えたのは31症例21%、『勃起能が低い(2点)』と答えたのは38症例26%、
『勃起能は普通(3点)』と答えたのは46症例31%、『勃起能が高い(4-5点)』と答えたのは5症例3%だった。
SBRT後、一番低下した時点での勃起スコアが治療前より2点以上低下したのは18症例(平均66.5歳)だった。
勃起スコアの低下が大きかった症例群で、
高齢者が多かったとか、処方線量が高かったとか、尿道球の線量が高かったとか、
DM・喫煙・HTN・HLなどの危険因子を多く持っていたなどの特徴は見られなかった。
RT前→RT後3か月目→RT後9か月目→RT後15か月目の勃起スコアの平均値の変動は
2.16→1.48(t検定のP=0.22)→1.57(P=0.46)→1.58(P=0.99)でRT前と比べて有意な低下はなかった。
EPICの問18で、RT前に性行為があると答えたのは45%で、性行為可能な勃起能があった症例は12%だけだった。
RT後9か月目でも12%のままであった。
SBRTにより勃起能に大きな悪影響を与える可能性は低いと言えるだろう。

本内容は、2024/11の日本放射線腫瘍学会第37回学術大会(横浜開催)で
後期研修医の水本医師が報告したものです。