News

お知らせ

東京大学医学部附属病院で膀胱癌に対し根治的な膀胱温存療法または膀胱全摘除術を受けた方及びそのご家族の方へ

当院では膀胱癌に対する根治的な膀胱温存療法及び膀胱全摘除術の生活の質を含めた費用対効果について検証する多機関共同研究を行っております。この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報等を研究目的に利用されることを希望されない場合、研究への協力を希望されない場合、あるいは協力を途中でおやめになりたい場合は2024年11月30日までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

【研究課題】
膀胱癌に対する根治的な膀胱温存療法と膀胱全摘除術の費用対効果に関する多機関研究 (審査番号2023388NI)

【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示す通りです。
主任研究機関 東京大学医学部附属病院放射線科
研究代表者  山下英臣
担当業務   研究の進行調整・医療費用を含めたデータ収集・仮名加工・データ解析・論分執筆

【共同研究機関】   
この研究に利用する資料・情報は共同研究機関の範囲のみで利用されます。
研究機関  岩手医科大学附属病院
研究責任者 菊池光洋
担当業務  データ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  久留米大学病院放射線科 
研究責任者 淡河恵津世
担当業務  データ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  順天堂大学医学部附属浦安病院放射線科
研究責任者 斎藤アンネ優子
担当業務  データ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  都立駒込病院放射線科(治療部)
研究責任者 室伏景子
担当業務  医療費用を含めたデータ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  広島大学病院放射線治療科
研究責任者 今野伸樹
担当業務  データ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  山梨大学医学部附属病院放射線治療科
研究責任者 大西洋
担当業務  医療費用を含めたデータ収集・データ収集・アンケート調査・仮名加工

研究機関  横浜市立大学医学部医学科公衆衛生学
研究責任者 五十嵐中
担当業務  統計解析・費用対効果算出補助

【研究期間】
承認日〜2024年12月31日

【研究の目的・意義】
高リスクな筋層非浸潤性膀胱癌や筋層浸潤性膀胱癌に対する標準治療は、膀胱全摘除術です。同治療が不適ないし拒否される患者さんに対しては、根治的な膀胱温存療法が施行されことがあります。膀胱温存療法の手法としては、可及的なTUR-BT (Transurethral Resection of Bladder Tumor)や化学療法、放射線療法を併用した集学的治療が行われることが一般的です。

近年は高齢化や併存疾患増加、QOL維持への関心の高まりから、膀胱温存療法のニーズは広がってきています。治療効果を膀胱全摘術と直接前向き比較した研究は乏しいものの、幾つかの後ろ向き研究において5年生存率において有意差を認めなかったという報告もあります。

治療の選択の際の考慮すべき事項として、費用は少なくないウェイトを占めると思われます。また治療後の生活の質(QOL)も大事です。アメリカ合衆国やカナダで膀胱温存療法と手術の費用対効果の検証がなされていますが、これまで我が国において同集学的治療及び膀胱全摘除術の費用対効果を調査した研究はまだありません。そこで我が国においても膀胱癌に対する根治的な膀胱温存療法及び膀胱全摘除術の生活の質を含めた費用対効果について検証するため本研究を行う次第です。

【対象となる方】
2010年01月01日から2023年06月30日に至るまで、参加機関において膀胱癌に対して根治的な膀胱温存療法または膀胱全摘除術を受けた方を対象としています。

【研究の方法】
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院の長の許可を受けて実施するものです。

後ろ向きに診療録・保険データベースからあなたの年齢・性別や血液・画像・病理などの検査記録、手術・放射線治療・化学療法などの治療記録、治療効果、副作用、要した費用の情報を抽出します。これに関してはあなたに新たに負担頂くことはございません。

また、アンケート調査により、治療時前後や現在の生活の質も調べます。それらを解析することにより、同治療の費用対効果を検証します。アンケートに関しては、対象者には別途郵送にてお知らせする予定です。なお、郵送するためにあなたの住所等を診療録より取得します。

提供いただいた資料・情報は、東京大学医学部附属病院にて解析を行います。東京大学医学部附属病院の研究対象者の皆さんの資料・情報が、他機関に伝わることはありません。

なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

【個人情報の保護】
この研究に関わって収集される情報は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。

あなたの診療録やアンケート結果等の情報は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにした上で、診療を受けた機関において各研究責任者及び担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン等で厳重に保管します。

あなたからいただいたた資料・情報は東京大学医学部附属病院のみで取り扱われ、他の共同研究機関に共有することはありません。あなたの資料・情報は他の共同研究機関から送られてくる資料・情報と一緒に解析されます。解析結果は各研究責任者のみがアクセスできる共有サーバーを用いて、安全な回線を以て各共同研究機関に共有する予定です。

研究結果は、個人が特定出来ない形式にて学会等で発表・論文化する予定です。収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。研究期間中・保管期間中の二次データ利用の可能性があります。保管期間終了後には、情報は学内で規定された方法に従い、データを上書きし、初期化することで完全消去することで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。

なお、提供いただいた情報の管理の責任者は下記の通りです。
所属:東京大学医学部附属病院放射線科
氏名:山下英臣

この研究のためにご自分の診療録等データを使用してほしくない場合は2024年11月30日までに主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局までご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。

【研究対象者に生じうる利益・不利益】
あなたに直接的な利益はございません。根治的な膀胱温存療法及び膀胱全摘除術の費用対効果を明らかにすることにより、今後の膀胱癌患者の意思決定支援や、我が国の保険医療費の適正化に繋がりうると考えられます。

本研究は既存資料を用いたチャートレビュー及び簡単なアンケート調査のため、直接的な危険はありません。しかしデータの取り扱いの際に個人情報が漏れる可能性は完全には排除できません。そのためデータの取り扱いには十分に留意します。また、アンケート回答の際にインターネット接続料・時間的負担などがかかり得ます。

【その他】
あなたの費用負担及び、あなたへの謝金はございません。

この研究に関する費用は、公益社団法人日本放射線腫瘍学会費用対効果研究班の予算から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。

本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。

この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

2024年08月

【連絡・お問い合わせ先】
研究責任者:山下 英臣
連絡担当者:菅原 大地
〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学医学部附属病院放射線科
Tel: 03-5800-8667(内線34000)Fax: 03-5800-8935
e-mail:yamachan07291973@yahoo.co.jp