News

お知らせ

片野講師の英語論文がWorld Journal of Oncologyに掲載されました。

I期胃MALTリンパ腫に対する放射線療法:30 Gy / 15回分割の治療成績と寛解期間の分析
PMID: 38751706 PMCID: PMC11092405 DOI: 10.14740/wjon1846

背景:
胃MALTリンパ腫は胃原発リンパ腫の主要な形態であり、放射線療法における最適な投与量と標準的なフォローアッププロトコルの確立は未だ普遍的ではない。

方法:
この後ろ向きコホート研究は、2008年から2022年にかけて完治放射線療法を受けたI期胃MALTリンパ腫患者を対象とした。ステージングはLugano Ann Arborステージングシステムに基づいて行われ、処方線量は15回分割での30 Gyの線量であった。

結果:
研究対象となった53名の患者の中央年齢は63歳であり、全ての患者が完全寛解(CR)を達成した。中央フォローアップ期間は56.8ヶ月であった。CRが得られるまでの中央期間は3.9ヶ月であり、最長で3年以上を要する症例もあった。死亡例はなく、再発例は3例であった。5年間の全生存率、局所制御生存率、無病生存率はそれぞれ100%、100%、97.7%であった。重篤な急性有害事象は観察されなかった。

結論:
この研究は、I期胃MALTリンパ腫に対する30 Gy/15回分割の放射線療法が持続的で有利な長期疾患制御を示している。既存文献との比較から、放射線療法が持続的な寛解を達成する上での有効性と安全性が強調されている。現在も、毒性を最小限に抑えるための線量低減と技術の進展が進められている。この研究は、胃MALTリンパ腫患者におけるこれらの結果を確認するために臨床的反応確認の重要性を強調している。